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Medapani Blog

メダパニブログ

服がない話

3月である。まだ2月とそう気温は変わらないというのに、3月というだけで暖かい気がしてくるので不思議である。暖かくなると困ることがある。コートを着られなくなるので、ボロボロのパーカーやセーターを着回しているのを隠せなくなる。従って、春用の服を用意する必要が出てくる。しかし、去年と体型が変わっているため、手持ちの服は着ることができない。仕方なくYahoo!ショッピングを2時間くらい彷徨って物色したけど何を買っていいかわからない。そもそもネットショッピングでしか服を買おうとしない時点で間違っている気がしないでもない。だが、リアル服屋に行くのは僕にはハードルが高い。僕に言わせれば、ああいった場所はダンジョンに例えられる。店員さんはシンボルエンカウント式のモンスターである。隙を見せれば近寄ってきて戦闘になる。「ぼく  は  にげだした  !!!」「しかし  まわりこまれて  しまった  !!!」不正解。店員さんは僕ごときを追いかけてはこない。むしろ近寄ってすら来ない。逆に僕が店に近づくと「なんだこのゴミ虫は…俺のショップに足を踏み入れないで欲しいな…」と思っているはずである。少なくとも僕ならそう思う。というわけで僕はネットで服を買うしかないのである。ネットで服を買う層というのは大体被っているらしく、電車で見かける僕と同じようなタイプの人がよくYahoo!ショッピングで売られていた服を着ていたりする。ということは僕が着ている服もネットで買ったものだということがバレているということである。ちょっと前に、電車で大学生らしき人とパーカーが丸かぶりしたことがあった。僕は家に帰ったあと、そのパーカーを封印しようかと思ったが、何も僕が手を引くことはないだろうと考え直して、後日再び同じパーカーを着て電車に乗った。またも同じ大学生らしき人と乗り合わせたのだが、彼は同じデザインで色違いのパーカーを着ていた。よっぽどそのパーカーが好きなのだろうなと感じた。僕は家に帰り、そっとパーカーを封印した。そんなこともあった。つまり、ユニクロで買った服が被ることがままあるのは世間様も承知のことであるが、このご時世においてはネットで買った服もちょいちょい被るということである。恐ろしい世の中になったものである。

そんな話を弟にしたところ「自意識過剰過ぎです。現実を見ろ」と言われた。弟は僕をあざ笑いながら、片手間にデレステに2万円の課金をした。SSR高垣楓を引けずにおり、5万までは軍資金として用意しているという。お前が現実を見ろ。僕はそう思ったが、ソーシャルゲームにおいて「5万? 現実を見ろ」というセリフは色々な意味に取れてしまう。僕は元々あまり課金しないのと、ことデレステに限れば目当てのキャラがポンポン出たので高みの見物を決め込んでいる。ふふふ、現実を見ろよ。僕は担当アイドルのSSRを持っているんだぜ。そんな余裕をかましながら余っていたジュエルで1回ガシャを回してみたら、特にこれといったレアアイドルは出なかった。くそっ、課金してやろうかと僕は思った。人間の余裕とは儚いものである。

僕は電車で服が被った大学生に煽られようとも、根拠のない自信を持って回したガシャが外れようとも、余裕を失うことのない男になって、いつの日かリアル服屋という名のダンジョンで店員という名のファッションモンスターと戦いたい。そして服を勝ち取りたい。

思い出した。服がないんだった。どうしよう。

おわり