Medapani Blog

メダパニブログ

小心者の話

昨夜、贅沢にも乗ってしまったタクシーの窓に「値段交渉は違法です」的なシールが貼ってあった。僕は何気なく「値段交渉って具体的にどうしてくるもんなんですか」と運転手さんに聞いてみた。運転手さんが言うには「〇〇円でここまで行ってくれ!」というパターンが多いらしい。僕はそんな図々しい発想など欠片も考えたことがなく、むしろ僕ごときがシートに座ってしまってすみませんと平謝りするレベルの小心者なので、そんな非常識な人がいるものなのかと驚いた。

「仮にそんな交渉を持ちかけられたら、自分だけでなくて業界全体に影響する問題だから、ちゃんと断ります」と運転手さんは語る。僕は素晴らしい心意気だと感心し、自分もまたそのような男でありたいものだと思った。が、実際に僕が運転手さんだったとして、怖い人が乗り込んできて値段交渉してきたら絶対ビビって言うこと聞くだろうなとも思った。小心者である。

小心者といえば、最近家を出るときに戸締りや火の元の確認を以前より念入りに行わないと不安になっている気がする。精神的になんらかの異常をきたしている可能性があると思い母親に話してみたが「そんなことを心配する前に将来のことを心配なさい」と言われた。ごもっともです。しかし僕は、以前のバイト先で「心ってのはいつの間にか蝕まれて、気がついたときには壊れてるもんだぜ」とニヒルなおじさんから聞いたことがあるので、現代社会に生きる人たちはみなギリギリでいつも生きているものだと思っている。僕もご多分に漏れず、精神面とか金銭面とか、色んな意味でギリギリで生きているわけである。僕の心だっていつ壊れるかわからんのである。もっと大事にすべきだろう。母親にそう訴えたところ「だったら私が先に壊れるだろうから大丈夫よ」とのこと。返す言葉もございません。もっと親孝行しなければならないと僕は思い、来月から家に入れるお金を少し増やすよう検討しようと脳内議会に陳情したものである。

で、結局僕の小心者っぷりは何も解決しなかったのだが、昨夜飲み会で久しぶりに大学時代の先輩やら後輩やらといった友人に会ってだいぶ癒された。持つべきものは友である。友であるが、僕は「僕らの子供時代のアニメはヒロインが主人公と離れ離れになる展開や、恋のライバルが存在する設定が多かった。近年の寝取られブームは、当時の視聴者であった子供たちがクリエイターとして成長し、彼らの中に撒かれていた種が息吹き始めたことを因とするのではないか」との持論を展開し、周囲を大いに引かせた。お酒とは本当に恐ろしい。

僕は色んな人たちのおかげでようやく生きているんだなと思う。愚痴を言えば頷いてくれ、不安があれば大丈夫と言ってくれる。人間、それだけでどれだけ救われることだろうか。
……とか書いていてたらなんか実はネタ抜きで本気でヤバいんじゃないか僕、という気がしてきたのでこの辺で終わる。ふう。

おわり