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カルチャーショックの話

駅で電車を待っていたら外国人(漠然と欧米風)の家族が隣の乗降口に並んだ。夫婦と小さな姉妹の計4人。妹の方はベビーカーに乗った2歳くらいの女の子だった。

かつてバイトしていたときのことを思い出す。そのバイト先はショッピングセンターの中に入っており、家族連れのお客さんも多く、ベビーカーを押す光景もよく見られた。ベビーカーに乗るくらいの子供というのは純粋無垢の権化であり、目が合っても決して逸らさず不思議そうにこちらを見返してくる。笑うでも怯えるでもない。ただ、自分を見てくる者が何者であるかを確かめるように、ベビーカーが通り過ぎるまでじっと見つめてくるのである。そういう子になんとなく手を振ると、これまた喜ぶでもなく泣くでもなくただ不思議そうに手を振り返してくれる。そのときその子が何を考えているのか、僕には知る由もない。

で、話を戻して駅にいたアメリカンファミリーである。背の高い金髪の夫婦がパンフレットのようなものを見ながら話していて、姉妹の姉の方らしき女の子は線路の向こうから電車が来るのを待ち構えている。そして、ベビーカーに乗せられた方の女の子の目が、僕の目と合った。青い目だった。互いの距離は数メートル。彼女は日本人の子と変わらず、不思議そうにこちらを見つめてくる。これは誓って邪な意志の介在せぬ人として当然の感想であるが、アメリカンな小さい子はほんと可愛い。ほとんど無意識のうちに手を振ってしまったこともまた、人として当然の行いである。

僕の経験則に基づく予想では、彼女もまた不思議そうな表情を崩さぬまま手を振り返してくれるはずであった。
しかし、そこにきて僕は文化の違いを思い知ることとなる。

彼女は僕が手を振った途端、パッと表情を弾けさせて満面の笑みを浮かべ、それから側にいる母親の服の裾を掴むと、僕にブンブンと手を振り天使のような声を上げたのである。


「マァム! マァァァァム!! @#/&☆♪¥$%!!! キャワアァアアア!!!!」


逮捕されるかと思ってほんとびっくりした。さすがはアメリカンベビーであった。
しかも、ご両親も笑顔を浮かべてこちらに手を振ってくれるのである。僕は衝撃と幸福を同時に味わいわけのわからない精神状態になって何か英語でレスをしなければと思ったがいや別にそんな必要もなかろうと脳の冷静な部分がストップをかけ危うく握手を求めようとした手を引っ込めた。

その後、アメリカンファミリー共々電車に乗ったのだが、後の駅から乗ってきた部活帰りの女子高生たちは普通にキャイキャイ言いながら一家と交流していていたのである。僕も国籍や言語に惑わされず人と触れ合えるコミュ力が欲しい。

おわり