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Medapani Blog

メダパニブログ

偏見の話

ダ・ヴィンチ』という雑誌を毎月買っているのだが、本日書店の文芸誌コーナーにて手に取った今月号の表紙には、大きく「『おそ松さん』総力特集」だとか書かれていて、僕は思わずうろたえてしまった。

なぜうろたえたかというと他でもなく、この『ダ・ヴィンチ』をレジに持って行ったら間違いなく「こいつ今人気の『おそ松さん』目当てだな」と思われるんじゃないかと、そういう懸念が胸を渦巻いたからである。 純粋な気持ちで毎号買っている身としてはこれほど屈辱的なこともない。いや『おそ松さん』目当てで買うということ自体を批判したいわけでは断じてないのである。ただ、自分が習慣化していることを偏見で勘違いされてしまう可能性に耐えられないという、ただそれだけの自意識過剰と被害妄想に基づく不満である。

思えば、少し前の『野性時代』を買った際もそうだった。あのときの表紙は千年に一度のスーパーアイドル人こと橋本環奈であった。ちょうど、主演映画のプロモーションも兼ねて表紙を飾っていたものと思われる。その号に関しても、僕は毎月そうしているように、ごく当たり前に棚から抜き出してレジへ持って行ったのである。が、レジのお姉さんはこう思ったに違いない。「ああ、表紙目当てか」と。違う。違うんですよお姉さん。僕は毎月買っているので今月も買っただけなんですよ。橋本環奈さんが表紙だったなんて、そう、今気づいたくらいのものなのです。大体、僕と環奈さんじゃあ歳が離れすぎているじゃないですか。誤解されているような関係では誓ってありません。清廉潔白な関係なんです。信じてください。しかし、いくら心でそのように抗弁したとて、お姉さんには伝わらないのである(もっとも声に出すこともできないが)。

で、今回の『ダ・ヴィンチ』も同じであったに違いないと僕は踏んでいる。きっと僕は、レジのお姉さんから「『おそ松さん』好きの男」という偏見を持って認識されたことだろう。違うんですよお姉さん。これは不可抗力なんです。僕は毎月の習慣を果たしているだけなんです。『おそ松さん』特集も、書き下ろしのしおりが付録としてついてくることもたった今知ったところなのです。なんならこの付録のしおり、貴女に差し上げても構いません。だってあなた絶対『おそ松さん』好きでしょう。いやいや絶対好きだって。この雑誌の表紙見たときちょっと表情変わったもん。ちなみにカラ松推しでしょう。え、違う。おそ松推し。あーなんかわかるー!
…というところまで購入直後に妄想して、偏見で物を見ていた醜いブタは他の誰でもなく僕だけであることに気づいたのであった。お姉さんごめんなさい。

ちなみに帰りにバス乗り場に並んでいたら、なんと大学生くらいのお兄さんが『おそ松さん』の絵柄のトートバッグを持っていたのである。僕はそれを見るなり「こいつ『おそ松さん』好きをアピールして女の子釣ろうとしてやがるな」と、またも偏見に満ちた感想を無意識のうちに抱いてしまい、自分の薄汚さに絶句してしまったものである。お兄さんもごめんなさい。

おわり