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Medapani Blog

メダパニブログ

英字の話

今日、電車で向かいに座っていた人の帽子とリュックに「NEW YORK」と書かれているのを見て「この人どれだけニューヨーカーなんだよ」と思った。ニューヨークだのブルックリンだのと書かれた服類はよく見かけるが、服に都市名を載せることに一体何の意味があるのか、そしてそれらを着用する人は一体全体どういう意図を持っているのか、甚だ疑問である。しかもそれらの服はほとんどの場合においてメイド・イン・ニューヨークでも、メイド・イン・ブルックリンでもないのだ。なぜだ。なぜ外国の都市名をポンとひとつプリントするのだ。僕は正面の「NEW YORK」を半ば嘲笑するように眺めて、それからふと自分の胸に目を落とした。僕が着ていたTシャツには「Brave Sailor San Diego」とプリントしてあった。どこだ。なんか聞いたことあるけどサンディエゴというのはどこだ。僕は自分の愛用しているTシャツに知らぬ都市名が書かれていることに、そのときはじめて気づいて驚愕した。それも都市名だけではない。「サンディエゴの勇敢な船乗り」と書いてある(ものと思われる)。都市名だけよりよほどおかしい。このTシャツは確実にメイド・イン・サンディエゴではないし、僕は勇敢でも船乗りでもないのである。僕は一体全体どういう意図を持ってこのTシャツを購入し、そして日々着用しているのか。甚だ疑問である。ニューヨークやブルックリンのロゴを笑っていい立場ではなかった。むしろ、ニューヨークやブルックリンの英字がシンプルでスタイリッシュに見えてきた。もしこのサンディエゴシャツを着ているときに外国の方に話しかけられたらどうしたらいいのだ。僕は「サンディエゴ出身で勇敢で船乗りです」と黙して語っているようなものである。恥ずかしすぎる。英字を隠すように背中を丸めて家へと帰り、すぐさま部屋着の別のTシャツへと着替えた。これで助かったとほっと息をついた僕は、Tシャツの胸部に書かれている英字を見てまたも驚愕した。「Fried Potato Factory」。完璧に意味不明である。

おわり