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すごい今さらバケモノの子感想

※以下『バケモノの子』ネタバレあります※
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

バケモノの子』がテレビ放送されるらしい。僕は『サマーウォーズ』も『おおかみこども』も好きだったので、『バケモノの子』もそれはもう喜んで劇場まで観に行ったのである。が、鑑賞後の感想としては「前二作に比べるとあんまり好きじゃなかったな」というネガティヴなものであった。

 
バケモノの子』、前半のざっくりあらすじは以下の通り。
 
 
人外の住人たるバケモノたちが住む街に迷い込んだ少年・九太は、屈強なバケモノの1人・熊徹に弟子入りして共同生活を始める。衝突の多い2人であったが、九太は修行を経て人間的にも身体的にも成長し、熊徹と師弟のような、親子のような、不思議な絆を築いていく。
 
 
困ったことに、ここまではめちゃくちゃ面白い。かなりワクワクさせてくれるし、これからどんな冒険が待っているのかと期待させてくれる展開である。
 
さらにその後、青年へと成長した九太が登場し、武術の腕も極まって、人間でありながらバケモノたちから尊敬を集めているという描写がなされる。幼少期からの成長を感じさせてくれ、期待度はなおグングン高まっていく。
 
しかし、その期待は唐突に撃ち砕かれる。
 
 
あるとき、九太は偶然、人間界に戻る方法を知り、図書館に通うようになる。そこで可愛い女の子と出会って、大学受験を考え始める。
 
 
……
 
は?
 
大学受験だ???
 
 
僕の感想としてはそれしかなかった。もうほんとに呆然としたというか「えっ、えっ、えっ?!?」みたいな感じで、劇場で戸惑いまくった。いいだろうか、前半じっくりかけて、現実世界で心に傷を負った少年がバケモノの街にやってきて、魅力的なバケモノたちと暮らし、修行し、旅をし、人間の身でありながら認めてもらおうと一生懸命成長していったのである。だというのに、
 
 
 
現実世界で受験勉強だ???
 
 
ふざけんじゃないよ!!!!
 
 
 
前作『おおかみこども』は、現実に近い世界観に「オオカミ人間」という一滴のファンタジー要素を付与したがゆえに、「非日常感」を引き立たせるという効果を生んでいたのである。それにより、おおかみこどもを育てるヒロインの奮闘や、自らのアイデンティティに悩むこどもたちの苦悩に対して、より近い距離で感情移入することができたのだ。
 
が、『バケモノの子』については、前半においてそもそも舞台を異世界として設定し、魅力的なバケモノたちのキャラクターを登場させることで、視聴者の期待を「完全なファンタジー」に傾けていたのである。
しかし、突如主人公が現実の世界に帰って勉強を始める。
 
つまり、現実の社会生活から離れたところでキャラクターたちが活躍する姿を見て楽しむという、娯楽活劇を求める方向に誘導されていたはずなのに、いきなり落とし穴に落とされたような、
 
夕飯は海老フライの気分にさせられていたのにしょぼい煮魚を出されたような、
 
すごく美味しそうなケーキを眼の前で作られたのに、出来た瞬間ちゃぶ台返しされたような、
 
そんな気分にさせられてしまったのである。
 
もちろん、バケモノたちの街から舞台が完全に切り替わって受験物語にストーリーがシフトするわけではない。アクションもあれば、熊徹をはじめとしたバケモノたちの活躍もある。
 
しかし、僕が前半を観て期待したものはそうではなかった。もっと、異世界を中心にした冒険活劇が観たかった。
 
九太だってせっかく修行して武術を習得したのに、披露できたのはヒロインを助けるために不良をボコったところくらい。クライマックスのキーになる熊徹のセリフはかなり強引で「ああ、これ伏線ですね」というのが丸わかりというか「なんだこのセリフ不自然すぎワロタ」というレベル。
 
まあそんな感じでネガティヴな感想しか持っていませんが、前半はすごくワクワクさせてくれるし、面白いので、本当に「もったいない」の一言に尽きる作品でした。
 
おわり